知的障害教育の場では、「領域・教科を合わせた指導(各教科等を合わせた指導)」が、大きな位置づけを占めていますが、このルーツは、戦後から実直に積み重ねられてきた、子どもの生活を大切にする生活中心教育にあります。
その後、生活中心教育に「子ども主体」の理念を取り入れ、客体的な立場に置かれがちなこの子どもたちの主体性の確保・確立に力を注いだのが故小出進先生(1933-2014、前全日本特別支援教育連盟理事長、千葉大学名誉教授、前植草学園大学学長他)です。小出先生は、知的障害教育のみならず、広く障害教育・福祉において本人主体の理念と方法の浸透に力を尽くされました。
本研究会は、小出進先生が築かれた「子ども主体」の理念と方法を踏まえ、子ども主体の生活を大切にする生活中心教育のよりよい実践とあり方を、建設的かつ積極的に探究することを目的に設立した、教育実践者や研究者が集う研究会です。本研究会がこだわっているのは、「させる・やらせる」教育でなく、子ども自ら主体的に取り組む「自分から自分でめいっぱい」取り組む教育のありようです。子どもにとって、真に「やりがい・手応え」のある学校生活や活動を用意することを全国の仲間と取り組んでいます。
本研究会では、理屈からの「あるべき論」からではなく、目の前の子どもの姿と、今置かれている子どもの状況から、子ども主体の教育のありようを追求しています。肩肘張るような研究会ではありません。なにより実践ありきです。子どもの「やりがい・手応え」を高め、日々の学校生活に満足し、子どもが主体的に取り組む意欲・姿勢・態度を培うことを大切にしています。