2014年8月1日より新たな活動を開始致しましたソーシャルワーク研究所は、創設当時から掲げてきました「志(ambition)」を今後とも途絶えることなく継承するため、ソーシャルワークの実践と理論を繋ぐジャーナル『ソーシャルワーク実践研究』、ブックレット『ソーシャルワーク実践の事例分析』を定期的に発刊し、毎年12月には「ソーシャルワーク研究所シンポジウム」の開催、また、事例検討学習会「フクロウの止まり木」を企画運営してまいりました。
そこに込めた願いは、研究所が掲げる創設の理念でもあります「当事者」の生きる「現実」に学び、共に歩みを進めるには、社会福祉に連なる者として制度やシステムが求める「枠組み」に何ら拘束されない、あるいは、まったく意味もない思惑やしがらみに翻弄されない、そのことの態度表明となる「自由な発信を奨励する広場(common ground)」が必要であり、その機会を研究所として提供するというものです。そのような取り組みを継続することで、ソーシャルワーク専門職として、制度と支援に内在する「狭間」の問題に立ち向かい(social change)、一人ひとりの人間の命と権利の擁護および代弁(advocacy)の機能を担うとする専門職アイデンティティが、わが国にも徐々に浸透し、やがて確実に根付くに違いないのであり、ソーシャルワーク専門職の心底に流れる「漸進主義」を体現した「歩み」になると考えます。
このような研究所の活動は、定期購読料や参加費、そして、「フクロウの会〈賛助会〉」に登録いただいた皆様方からの助成を原資に運営しております。これまで、頂戴致しましたご厚情にお応えするため、活動継続に必要な経費以外の収益を一切求めないことにこだわりながら研究所の運営に努めてまいりました。しかし、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究会等の会場に出向き活動資金を得るために行ってきた頒布活動は休止状態を余儀なくされ、また、明治学院大学北川研究室に間借りしてきた状態から新たなオフィスに移動したことによる諸雑費の支出が増え、研究所の運営が難しくなりつつあります。誠に恐縮でございますが、引き続き「フクロウの会〈賛助会〉」の主旨にご賛同いただき、賛助金の形でご支援を賜ることができましたら幸甚に存じます。