【案内】
ブックレット『ソーシャルワーク実践の事例分析』第19号は2024年7月31日に刊行となりました。本号は、淑徳大学教授の菅野道生先生が、岩手県立大学在職中に交流を重ねてこられた「岩手県のソーシャルワーカー」の実践事例をヒントにまとめられたものです。東日本大震災後の市民生活を通じて顕在した「住居荒廃」への対応方法が検討主題になっています。
号 数 | タ イ ト ル | 頒布料 | 第18号 (2023年9月) |
「子どもの権利」の擁護と児童養護施設のソーシャルワーク −自閉症スペクトラム障害がもたらす「体験の格差」を埋める支援− 著者:北川清一 討論会参加者:川ア愛、山岸みゆき、藤本拓己、倉橋路子 |
500円 | 第17号 (2023年1月) |
未来を拓く就労支援 −「働くことの応援」を通じたソーシャルワーク− 著者:新保美香 討論会参加者:渡辺ゆりか、野々村光子 |
500円 在庫無 |
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第16号 (2022年7月) |
施設で暮らす子どもの家庭復帰支援とパートナーシップ型ソーシャルワーク −「応援ミーティング」にみる当事者参加の意義− 著者:松宮透 討論会参加者:伊藤恵里子、栗山隆、澤田いずみ、幅三平 |
500円 |
第15号 (2022年1月) |
現代家族が抱える生活課題に対応する家族ソーシャルワークの展開可能性 −児童養護施設の『制度化未満』実践に学ぶ− 著者:北川清一、田祐介 討論会参加者:川向雅弘、耕田昭子、泉谷朋子 |
500円 |
第14号 (2021年8月) |
専門職間の『境界』が生み出す『狭間』の解消法を考える −アルコール依存症者の回復支援におけるソーシャルワーカーの『リーダーシップ』を手がかりに− 著者:野村裕美 討論会参加者:伊藤祐貴、小仲宏典、稗田里香、川向雅弘 |
500円 在庫無 |
第13号 (2020年12月) |
利用者の『主体性』を尊重する支援の模索 −重度知的障がい者の地域生活支援に求められる視座− 著者:川向雅弘 討論会参加者:岸直樹、永田貴裕、成木嘉美 |
500円 |
第12号 (2020年8月) |
高齢出産の母親の生きづらさとソーシャルワーク −地域での孤立を防ぐ子ども家庭支援センターの支援を通して− 著者:久保美紀 討論会参加者:杉山佳子、三原路子、田島亜希子 |
500円 在庫無 |
第11号 (2019年12月) |
周産期医療が求めるソーシャルワーカーの専門性と独自性 −「見えないDV」問題を手がかりに− 著者:丹野眞紀子 討論会参加者:宮下有希、松山容子、高橋亜美 |
500円 |
第10号 (2019年6月) |
ソーシャルワークにおける権利の擁護と第三者評価 −母子生活支援施設実践の「子ども主体」を読み解く− 著者:稲垣美加子 討論会参加者:清水由布子、中溝明子、初谷千鶴子、宮本靖代 |
500円 在庫無 |
第9号 (2018年12月) |
児童養護施設実践の混乱と他機関「連携」の課題 −ソーシャルワークを取り込めない実態を読み解く− 著者:北川清一、山由美子 討論会参加者:田祐介、山岸みゆき |
500円 在庫無 |
第8号 (2018年6月) |
養護老人ホーム入居者の「生の過程」と向き合うソーシャルワーク実践 −虐待と貧困で孤立する高齢者への自立支援− 著者:中野いずみ 討論会参加者:福原見奈、園田裕史、関口陽子、田村紀章 |
500円 在庫無 |
第7号 (2017年11月) |
意思決定支援と「利用者不在」への気づき −介護保険制度下における高齢者支援に求められる視座− 著者:川向雅弘 討論会参加者:武居京子、高根澤恵子、成田すみれ |
500円 在庫無 |
第6号 (2017年6月) |
地域包括ケア時代における『渚』と対峙する『外来ソーシャルワーク』 −MSWはいかに介入するか− 著者:堀越由紀子 討論会参加者:小原由里、片岡侑史、妻鹿ふみ子、桑島規夫 |
500円 在庫無 |
第5号 (2016年11月) |
一般医療機関に来院するアルコール依存症者とソーシャルワーク −患者の暮らしに軸足を置くソーシャルワーカーの役割− 著者:稗田里香 討論会参加者:佐原まち子、山本由紀、左右田哲、柳田千尋 |
500円 在庫無 |
第4号 (2016年6月) |
児童養護施設として取り組む家族支援とアセスメントの方法 −「自明性の罠」に陥らない支援計画の策定− 著者:北川清一 討論会参加者:山田勝美、神長ふさ子、塩田規子 |
500円 在庫無 |
第3号 (2015年10月) |
児童養護施設で暮らす高齢女児への自立支とソーシャルワーク −家族関係の修復を図るかかわりの内省的分析− 著者:塩田規子 討論会参加者:北川清一、田島亜希子、山由美子、森玲子 |
500円 在庫無 |
第2号 (2015年4月) |
小規模児童養護施設における支援の閉塞状況とソーシャルワーク −外国籍の実母との向き合いと子育ち支援− 著者:田祐介 討論会参加者:山田勝美、栗山隆、塩田規子、山由美子 |
500円 在庫無 |
創刊号 (2014年10月) |
児童養護施設のソーシャルワーカーと施設内心理職の連携に関する事例研究 −自立支援計画とソーシャルワークアセスメント− 著者:山由美子 討論会参加者:北川清一、栗山隆、塩田規子、田祐介 |
500円 在庫無 |
ソーシャルワーク研究所 所長
北 川 清 一
わが国において、社会福祉の実践方法としてのソーシャルワークに関する研究と教育の成果を実際の支援過程に取り込む模索が本格化するのは第2次世界大戦後のことでした。それから多くの時間が経過するものの、今なお社会福祉の多様な実践場でソーシャルワークが浸透・定着したといえる状況にありません。
社会福祉士国家試験制度が導入され、職能団体が組織化され、関連する学会の活動も活発化していますが、社会福祉実践のソーシャルワーク化(日本的展開)は果たされないままにあります。ソーシャルワーク研究所が発行するブックレットは、このような状況に鑑み、実際事例への対応方法となるソーシャルワークを支援過程にいかに介在できるのかについて、その進め方を「言語化」し、ともに「考える」ことにより豊かな実践感覚を育む機会を提供したいとする願いから構想した企画です。
ソーシャルワーカーとして臨床の場に参与し、そこに生起する現実と向き合うなかで、何を根拠にその場での行為を選択し、専門職として事の成り行きを意味づけることができるのか。このような自問自答を繰り返すことによって、やがてソーシャルワーカーらしい「思考の枠組み」の共有が可能となるに違いありません。大学や大学院とは異なる空間でソーシャルワークの展開を構想し、事態への対応を図り、そこに見いだせた変化の様子を「可視化」し、発信する過程を体感するブックレット。それをソーシャルワークについて学ぶ「道場」と称してみたいと思います。多くの方々が「道場」の門を叩かれますようお待ちしています。
(2014.10.01.)