イベント 2025年度
公開セミナー (開催報告)

テーマ
日本の貧困と格差—状況、影響、緩和策はあるのか?

日本の貧困率や所得格差は、先進国の中で米国に次いで高い。日本の貧困や格差の状況はどうなっているのか。その原因は何であるか。労働者や私たち市民、家族、日本社会にどのような影響を与えているのか。あるいは将来においてどのような影響を与え得るのか。日本社会はどうすれば貧困や格差を緩和、矯正することができるのか。これらの問題について第一線で活躍する専門家のお話をうかがい、みなさんとご一緒に考えていきたいと思います。

開催日時
2025年10月20日(月)、23日(木)、27日(月)
11月10日(月)(全4回)
17時15分-18時45分(開場 16時45分)
開催方法
会場参加かオンライン参加が選べるハイブリッド開催
会場(申込不要)
明治学院大学横浜キャンパス
7号館1階711教室(10月23日㊍のみ712教室)
オンライン(要申込)
Zoom Webinar
参加費無料
 
     
  開催日 ゲスト テーマ
第1回 10/20
(月)
本田 由紀
(東京大学大学院 教授)
日本における格差と貧困の背景
―戦後日本型循環モデルの特徴とその破綻
【講演要旨】
本セミナーの目的は、第一に、主に戦後日本社会に焦点を当て、それがどのような特徴をもつか、どのように変容してきたかを、「戦後日本型循環モデルとその崩壊」という観点から説明すること、第二に、そうした変容が現在の社会にどのような問題を生み出しているかを、家族、仕事、教育という下位領域別にデータで示すこと、第三に、現状を変革するには何が必要かについて論じることにある。
まず最も基底的な社会変容として人口構造の変化を3時点で確認した上で、1960~80年代の日本を特徴づけていた「戦後日本型循環モデル」を模式図で示し、その重要な特徴として教育・仕事・家族の間に資源を流し込み合う一方向的な循環構造が成立していたことを説明した。・・・ ⇒ 全文
★講演動画の視聴は コチラ(2026年12月末まで視聴可能)
第2回 10/23
(木)
白波瀬 佐和子
(東京大学大学院 特任教授)
少子高齢化の背景にあるジェンダー格差:
出生率上昇の可能性
【講演要旨】
講演「少子高齢化の背景にあるジェンダー格差:出生率上昇の可能性」では、社会学、とりわけ社会階層論および人口変動の視点から、日本社会が直面する格差・貧困問題について、その背景にある少子高齢化と関連させて、議論が展開された。まず、日本と世界の人口変動の実態をデータと共に示され、世帯構造の変容や超高齢層における女性割合の増加が日本の格差拡大と密接に関連していた。一方で、人口変動と格差や貧困について、単純な因果関係では説明できず、複数要因が同時進行的に影響しあった結果としての現象としての少子高齢化がある。そのため、特定の政策の効果を短期的に明らかにすることの困難さについても指摘されたが、それを理由に課題解決を先送りするのではなく、中長期的な視野にたった諸政策投入の優先順位を明確にすることが求められる。いずれの選択についても完全一致の総意という状況は現実的に困難である一方で、貧困状態に置かれた子どもや若者は、その後の人生に長く影響を受けることから、個人の責任に矮小化せず社会全体の課題として取り組む必要がある。・・・ ⇒ 全文
★講演動画の視聴は
コチラ(2026年12月末まで視聴可能)
第3回 11/12
(火)
阿部 彩
(東京都立大学 教授)
日本の貧困の実態:統計から考える
【講演要旨】
講演では、まず、貧困の定義について説明があった。貧困には大きく分けて絶対的貧困と相対的貧困がある。絶対的貧困はどのような時代や国においても変わらない基準であり、相対的貧困はその時代や国に合わせて変わる基準である。絶対的貧困は衣食住といった基本ニーズ、相対的貧困はそれ以上と考えられがちであるが、そうではなく、生きるために必要なものはその人が生きている社会や国の状況によって変化するというのが相対的貧困の考え方である。日本の相対的貧困率の推移を見ると、2010年代までは高齢者の貧困率が減少した一方で、若者の貧困率が上昇した。ただし、2010年代以降は高齢者の貧困率が上昇している。子どもに限ると、ひとり親世帯の貧困率が高いが、総数が少ないため、貧困の子どもの過半数はふたり親世帯に属している。・・・ ⇒ 全文
第4回 11/19
(火)
宮本 太郎
(中央大学 教授)
日本のセーフティネット:ツナとアミを張り直す
【講演要旨】
本日のお話は、「困窮と孤立、そして日本型セーフティネットの限界」についてである。皆さんもすでにご承知のとおり、少子高齢化のもとで格差や貧困の問題は避けて通れない。しかし、「支える側」に立つ私たち自身が、本当にその力を持っているのか、あるいは「支えられる側」とされがちな高齢者や弱い立場の人たちをそのような役割に固定化させてよいかという点も併せて考える必要がある。
日本社会は、かつて「肩車社会」と呼ばれる未来を予測してきた。高齢者一人を現役世代一人が支える構図である。しかし実際に2050年代に向けて進むのは、単なる人口比の問題ではない。支える側とされる世代が、非正規・不安定雇用に置かれ、実質的な支える力を失っているという現実である。頭数では1対1でも、実質は0.5、あるいはそれ以下だと言ってよい。女性の出産退職率はいまだ4割に達し、就職氷河期世代は貯蓄も年金も乏しいまま高齢期に入る。すなわち「肩車」は成り立たない。・・・ ⇒ 全文
<司会者> 坂本 隆幸(国際学部付属研究所 所長)

申込み

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お問い合わせ先

国際学部付属研究所
TEL. 045-863-2267 (受付時間:平日 10時半-16時半)
Email: frontier(at)k.meijigakuin.ac.jp 
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