出張報告

竹尾 茂樹

 

▼出張期間

2005年3月16日より2005年3月24日まで

▼出張先
沖縄県 八重山地方(石垣島・西表島)および宮古群島(宮古島・伊良部島・来間島)
▼研究テーマ

島嶼地域における社会変動と文化変容の比較研究                                    −沖縄県八重山・宮古地域のケース

▼調査の内容
 
1) 西表祖納集落における通過儀礼の調査:
西表島の古邑である祖納集落において行われた「カジマヤー行事」(マインダラー ヨイ)は数え97歳の生年を祝うものである。個人の長寿を係累一族が祝う沖縄県各地に伝わる伝統行事であるが、社会変化の影響を受けて、近年の変容はめざましい。西表島では記録上は初めてという男性カジマヤーの出現を、集落全体の祝い行事として実施したもようを、その準備段階から観察・調査した。

2) 竹富町教育委員会における資料調査:
西表島西部地区の最も重要な年中行事である「節祭(シチ)」についての資料収集をおこなった。

3) 西表島西部地区における大規模リゾート開発(ユニマット不動産・南西楽園)の実態・聞き取り調査: この開発計画をめぐっては、誘致による経済効果と開発による環境への影響の懸念により、近隣住民をはじめ町の行政・研究者の間で意見が二分されている。2004年7月に開業した大型リゾートホテルの社会文化的なインパクトを継続的に調査中である。

4) 宮古群島における社会調査:来間島への宮古島からの架橋(1995年、全長1690m。農道架橋としては日本一の長さ)以降の変化。宮古島上野村におけるリゾート開発の現状視察。伊良部島における自衛隊誘致問題の調査。

 

 

▼発表予定の 論文・著書等

 国際学部付属研究所プロジェクト「東アジアにおける歴史認識とアイデンティティ構築について」(2002-2004年度)の最終報告書として、2005年度研究所年報等に発表予定