出張報告

高原 孝生

 

▼出張期間

2005年2月23日より2005年3月4日まで

▼出張先

米国: ワシントンおよびホノルル− Washington, D.C.(帰路、International Studies Association 研究大会の開かれた Honolulu に寄る。)

▼研究テーマ
米国の軍事政策とその抑制方法
▼調査の内容

 今や唯一の超大国となった米国のNPT再検討会議に臨む姿勢と、その問題性について、インタビュー調査。

 軍縮問題をめぐっては、昨年秋のアメリカ大統領選挙でブッシュ大統領が再選され、アメリカの政策が従来の国際協調を基本とするものから一層逸脱する可能性が現実のものとなっており、とくに核軍縮領域では新型核兵器の開発等、5月のNPT再検討会議の成否が予断を許さない状況になっている。

また、世界的な米軍のトランスフォーメーション(「再編」と訳されることが多い)が、ブッシュ政権の継続、ラムズフェルド国防長官の留任という条件を得て、いっそう加速することは避けられず、軍縮外交のレベルから、米軍基地の再編、横須賀の原子力空母の母港化といった身近なレベルまで、日米安保体制に直接的な影響が及ぶのは必至である。

 このように『アジア・太平洋地域の社会変動』に直接的、短期的に影響を及ぼしうる国際政治の展開領域としての軍縮問題、なかんずく核軍縮と日米安保の問題について、状況形成の源であり続けるワシントンで短期間ながらインタビュー調査を行い、さらに折から開かれた国際関係学会においても交流を行った。

 

 

▼発表予定の  論文・著書等

  印刷物になるか未定だが、6月の日本平和学会春季研究大会で予定している報告「米軍再編と日本」の他、軍縮・安全保障問題を扱う「国際政治学2」や「平和学1」の授業、および公開講座「神奈川発:21世紀の平和構想」の内容に、反映させる。