出張報告

孫 占坤

(ソン センコン)

 

▼出張期間

2002年10月30日 より 2002年11月4日まで

▼出張先
中国 河南省鄭州市及びその附近の農村
     上海とその附近の農村
▼研究テーマ
中国における地域間発展格差の実地調査
▼調査の内容

 本出張はダイナミックな発展を続けている中国の地域間格差を考察するため行われたものである。本来、竹内啓先生を団長とし、涌井、孫の三人で行う予定だったが、出発数日前に竹内先生が御病気されたため、結果的に涌井、孫二人だけの出張となった。本出張の前半は中国の内陸部に位置する河南省鄭州市及びその附近の農村で行われた。鄭州では省統計局と市統計局との意見交換が行われ、かつて最貧困省の一つであった同省の発展、とりわけ統計分野での邁進ぶりを知ることができた。また、鄭州附近の鞏義(県)へ行って郷鎮企業・開放政策が農民にもたらす豊かさを感じたと同時に、環境の悪化といった近代化のマイナスの側面も“体感”した。出張の後半は上海とその附近の農村で行われた。とりわけ、上海周辺の農村にモダンで広い新築の一戸建てが至る所に立ち並んでいることは大変印象的であった。河南省と比べると、こうした沿海地域と内陸部との間に大きな格差が存在していることを痛感した。

▼発表予定の論文・著書等

 昨年(2002年)の春から収集した資料をベースにした論文を現在作成中であり、2003年度の『国際学研究』に掲載できるように近い将来それを提出する予定。