出張報告

大木 昌

 

▼出張期間

2003年 3月6日 より 2003年3月20日まで

▼出張先
オランダ レイデン市
▼研究テーマ
植民地期インドネシアにおける疾病と公衆衛生
▼調査の内容

オランダのレイデン市には、かつてインドネシアがオランダの植民地であった頃、インドネシア研究の中心機関であった「王立言語・地誌・民俗学研究所」と、オランダでもっとも古い大学であり、かつインドネシアの歴史文献をもっとも所蔵しているレイデン大学が存在する。今回の調査では、19世紀後半から1930年代までのインドネシア、とくにジャワにおける疾病状況と、疫病対策としての植民地政府による公衆衛生の実態とそれに対する住民の反応に関する資料の収集を行なう事が目的であった。

疾病状況に関しては、1850年代のジャワについての資料がみつかった。19世紀末から20世紀初頭にかけての資料がすでに手元にあるので、この間の疾病状況を比較し変化をたどることが可能となった。 また、公衆衛生については、今回は1910年代のペストの大流行に関する資料を収集することに主眼をおいた。ペストについて、特に被害の大きかったジャワのある地域について詳細な報告書がみつかったので、この時の植民地政府の対応と住民の反応を、それ以外の疫病の流行時と比較することが可能になると期待される。


 

 

▼発表予定の論文・著書等

「植民地期ジャワにおけるペストの流行」に関する論文を、来年初頭までに書き上げる予定。