出張報告

勝俣 誠

 

▼出張期間

2006年3月19日より2006年3月28日まで

▼出張先
ケニア共和国
▼研究テーマ

アフリカにおける自然資源の持続的利用と地域開発

▼調査の内容

国際協力事業団のケニア半乾燥社会林業計画(ISFP)およびケニアNGOグリーンベルトムーブメント(GBM)の村落植林活動の関係者のヒアリングおよび現場視察・交流が中心となった。
 3月20日−3月22日はISFPを訪問し、2サイトを視察した。
   今回の調査により確認できたISFPの特徴は以下の通る。
1.日本の公的援助の資金でケニヤ政府の森林局を通じて農村               部の集団組織に介入している。
2.住民組織のスタッフ自身が習得技術を他の団体に伝えることをマニュアル化した国連FAOの住民参加方式(Farmer Field School)を応用している。
3.植林活動が前面に出ており、それを支える経済活動と組み合わされている。

 3月23日-25日はGBMの本部ヒアリングと3村落組織を視察した。
   今回の調査により確認できたGBMの特徴は次の通り。
1. 主として欧米の民間(私企業を含む)および政府援助機関の資金で運営されている。村落レベルの会費はごく小額である。
2. GBMのスタッフが側面支援として住民活動の立ち上げと運営に直接介入し、森林局との共同事業という色彩はない。国有地使用に関する協力要請はある。
3. ケニアの伝統樹種にこだわり、外来樹種はなるべく避けようとしている。
4. 植林活動と経済活動に介入領域を限定せず、地域および全国レベルでの市民教育の啓発活動も実施している。
 2006年度はこれらの確認事項を更に分析、考察する。

 

▼発表予定の 論文・著書等

  2006年中に人間の安全保障および生業アプローチをキーワードとして論文執筆予定。さらに同じような活動を国際比較する研究会を予定。