● 趣 旨 ●
アフリカ大陸の自然は急速な勢いで破壊されています。サハラ沙漠に接する雨の少ない国々では、木々がなくなり、沙漠化現象が広がっています。 また、赤道近くの南米や東南アジアとともに、世界三大熱帯雨林地帯とされるコンゴ川流域の森も急速に減少しています。
森がなくなるということは、森のおかげでマキや家を造るための木材や様々な食べ物や薬草がなくなることを意味します。 そしてそこで、森と共生してきた様々な動物も消えていきます。 さらに、沙漠化によって人々が、希少化する草木や土地や水をめぐる争いが激化しています。そして、「地球の肺」とも呼ばれる熱帯雨林がなくなっていくことにより、私達地球住民の将来も脅かされていく現象を、私達はどう考えたらいいのでしょうか。
答えは簡単に出ませんが、まずは現場での映像、衛星画像などを使って、アフリカの森で何かを起きているかを検証することが不可欠です。 また、森林減少の原因を探るだけでなく、その影響を直接受ける森とともに生きる人々の生活や文化、さらにエネルギー源としてマキや炭に大きく頼る都会生活も知らなければなりません。 そして、地球温暖化が今日のアフリカ大陸の各地で生じている大かんばつや局地的洪水と無関係ではないとしたら、私達「北」の富裕国の世界の人々のエネルギー多消費型ライフスタイルの責任も問われなければなりません。
本コースでは、こうした課題を踏まえて、アフリカの森と人々の生活・文化を、様々な角度から紹介し、考えてみることが狙いです。 いずれの講師もアフリカでのフィールド体験を豊富に有している専門家です。
今年は、アフリカの政府と市民社会の代表とアフリカの開発を考える第4回アフリカ開発会議(横浜で5月)、地球温暖化とアフリカの貧困がメインテーマともなる先進国首脳会議(北海道で7月)と、日本でもアフリカの名が繁く登場してくる年です。
この機会に、地球の反対側のアフリカの森と人々を皆さんと学び、持続可能な地球づくりのシナリオを考えてみたいと私たち国際学部付属研究所は企画しました。
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